前回、算数の苦手予備軍はたし算・ひき算から始まっている事と
苦手なところまで戻る事も必要ですというお話をしましたが、
今回は中学年以降の苦手の見つけ方や学習方法などを
お話していきたいと思います。
算数を苦手にしないための学習方法~中学生、高学年編
わり算のひっ算が始まったら確認しよう
中学年になるとわり算のひっ算が登場しますが
皆さんはわり算のひっ算、得意でしたか?
小学生のころの私は、わり算のひっ算が本当に苦手でした。
私の場合は、なかなか商が立てられず時間がかかっていたのですが
皆さんはどうでしたか?
人それぞれに、「ムムッ」と思うポイントや
嫌だなと思う箇所があったかと思います。
確認のために、ちょっと昔を思い出しながら
一緒にわり算のひっ算をやってみましょう。
例えば・・・
「369÷15」をひっ算でやってみると
24
15)369
30
69
60
9
このようになります。
まず、36÷15の計算をします。これはわり算です。
答えは2なので2と書いたら確認のために
15×2を計算します。ここでかけ算が登場しますね。
これをひっ算で書いてみると
15
× 2
10
2
30
このようになります。
かけ算のひっ算の中にたし算も含まれますよね。
次に36-30を計算します。
ひき算もでてきました。
と、こんな風に計算を進めて答えと余りを出していきます。
お気付きでしょうか。
そうです!
わり算のひっ算には、これまで学習してきた
全ての計算が凝縮されているんです。
凝縮されているということは、
わり算のひっ算を解く過程を観察すると
その子がどの段階で手が止まってしまうのか
つまり、どの計算が苦手なのかがわかるんです。
たし算の繰り上がりの計算が苦手なら
たし算のひっ算を重点的に復習すればいいですし、
余りを出すためのひき算が苦手なら、
ひき算のひっ算を復習する。
かけ算に手間取るようなら
九九を1分以内に暗唱できるようにするなど
九九を完璧に覚えてしまえばいいですし、
わり算の商を立てるのが苦手なら
九九の逆をたくさん復習すればいいんです。
こんな風に、わり算のひっ算は子供の現状把握と
復習のポイントが一目でわかるとても優秀なツールになります。
是非、分数が始まる前にこれら4つの計算をスムーズに
解けるようにしていきましょう。
百聞は一見に如かず~イメージしてみてください
高学年になると、いよいよ分数の計算が始まります。
通分やら約分やら、ややこしい物も登場しますよね。
でも実は、子供たちが分数嫌いになる一番の原因は
分数が何なのかがよくわからないところにあります。
概念がない・・・というと一番しっくりくるでしょうか。
1
一つの物を8個に分けたうちの1個分・・・8
教室を開いていた時も、これがイメージできない子が多かったです。
そこで皆さんにお勧めするのが、「実際にやってみよう作戦」です。
リンゴでもケーキでもピザでもいいです。
お子様と一緒に切り分けて、実際に数えてみると
それまでイメージできなかったものがすんなり頭に入ります。
この時に一緒に約分も習得してしまうと後が楽になりますよ。
1
例えばピザを8等分します。そのうちの1枚が8
2
2枚分が8 になります。
切ったピザを今度は2つずつくっつけて4等分したように見せます。
1
4等分したうちの1枚が4 です。
あら?8等分したうちの2枚と同じ大きさになりますね。
そうです。これが約分です。
実際の約分の計算はわり算ですが、
概念を知ってもらうために試行錯誤しながら試した中で
この方法が一番子供たちの理解が早かったので
ここでご紹介させていただきました。
是非、お試しください。
まとめ
算数は、中学以降で学習する数学のいわば準備体操のようなものです。
子供たちが中高生になって数学で苦労しないよう、
是非、早い段階で苦手を克服させてあげましょう。